歴史の証人 2016 8 7
メールマガジンの国際戦略コラムでは、
南シナ海で軍事的優勢を築いた中国について、
ナチス・ドイツによるラインラント進駐を想起させると指摘します。
さて、ラインラント進駐とは何か。
ウィキペディアによると、ラインラント進駐は、1936年3月7日にドイツが、
ヴェルサイユ条約により非武装地帯と定められていたラインラントに陸軍を進駐させ、
同地のアーヘン、トリーア、ザールブリュッケンに兵営を設けて駐留を開始させた事件を指す。
さらに、ウィキペディアには、世界史の証言が掲載されています。
(ヒトラー)
ヒトラーは、ブロンベルク将軍に、フランス軍が国境を越えたかどうかを尋ね、越えていないと聞いて、
ブロンベルクに「何かが起こるまでフランス軍は何もしない、ただ待っているだけだ」と保証した。
(ドイツのハインツ・グデーリアン将軍)
第二次世界大戦後、フランス軍に尋問されたドイツ軍のハインツ・グデーリアン将軍は、
「もし、1936年にフランス軍がラインラントに進軍すれば、我々は敗北し、ヒトラーは失脚していただろう」と答えた。
(フランスのルイ・モラン陸軍大臣とモーリス・ガムラン将軍)
2月にドイツ軍が進駐する予定を察すると、
首相アルベール・サローは、陸軍首脳部に対策を尋ねた。
陸相ルイ・モランは「我がフランス陸軍は純粋に防衛部隊としてマジノ線に配置するために編成されている」と答え、
参謀総長兼総司令官モーリス・ガムランは、
「進駐兵力が限定され、演習や要塞構築などの準備が行われないなら、ドイツのラインラント進駐は容認できる」と答えている。
100個師団以上の兵力を持ち、この時点では、ドイツ軍と比較して優れた軍備を保有していたフランスは、
ドイツに対して、その兵力を使用する「精神的な準備」ができていなかった。
(引用、以上)
世界史における「精神的な準備」とは、実に難しいものです。
現代においても、アメリカが「我々は、世界の警察官ではない」と宣言して、
早くも「精神的な準備」ができていないことを主張しています。
このように、重大な局面に至っても、
「精神的な準備ができていない」と主張する人は、
要するに、「負け犬」であると言えるかもしれません。
いくら圧倒的な軍事力を有していても、
「負け犬」根性が身に付いていると、
絶対に勝てる戦争も負けてしまいます。